前の記事では、
夫婦のすれ違いは愛情不足ではなく
「前提の違い」から生まれることを整理しました。
では、その前提とは具体的に何なのでしょうか。
多くの人は、
「価値観が違うから」
「性格が合わないから」
と一言でまとめてしまいますが、
実際にはもっと細かい層が重なっています。
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前提はいくつも重なっている
夫婦の間にある前提は、
1枚の板のようなものではありません。
いくつかの層が重なり合い、
それぞれが少しずつズレることで、
日常の違和感が生まれます。
たとえば、
– どれくらい深く関わりたいか
– 何をされると「大切にされている」と感じるか
– 感情の話をどれくらい受け止められるか
– どんな家庭環境が「普通」だと思っているか
こうした前提は、
自分では当たり前すぎて意識されにくいものです。
だからこそ、
相手も同じだと思ってしまい、
すれ違いが起きます。
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よく見られる7つの前提のズレ
このシリーズでは、
夫婦のすれ違いを生みやすい前提を
次の7つに分けて整理していきます。
1|求める関わりの深さ
– 軽いやり取りで満足できる人
– 深い気持ちの共有がないと満たされない人
どちらが正しいわけでもなく、
必要量が違うだけです。
2|愛情の受け取り方
– 行動で示されると安心する人
– 言葉や気持ちの共有がないと不安になる人
– 時間を一緒に過ごすことが何より大事な人
同じ愛情でも、
入り口が違うと伝わりません。
3|生まれつきの感じ方
– 刺激に敏感な人
– あまり動じない人
– 距離が近いと疲れる人
– 近さがないと不安な人
これは性格というより、
生まれつきの反応の違いです。
4|性格として身についた振る舞い
– 責任を背負いやすい
– 我慢が当たり前になっている
– 不安を溜め込みやすい
育ちや経験が重なって形作られた部分です。
5|判断の基準
– 合理性や効率を重視する
– 気持ちや意味を大切にする
どちらも大切ですが、
会話の前提が違うと噛み合いません。
6|感情の扱い方
– 感情の話を聞ける余裕がある人
– 感情が出ると処理しきれなくなる人
優しさの問題ではなく、
処理の仕方や容量の違いです。
7|育ってきた環境の影響
– 感情を出さない家庭が普通だった
– 我慢することが当たり前だった
– 話し合う文化がなかった
「普通」の基準は、
家庭ごとにまったく違います。
ズレはひとつだけとは限らない
多くの夫婦では、
これらの前提が1つだけズレているわけではありません。
– 関わりの深さが違い
– 受け取り方も違い
– 感情の扱い方も違う
こうして複数のズレが重なると、
「話しても分からない」
「一緒にいるのに孤独」
という感覚が強くなります。
これは努力不足ではなく、
前提の層が噛み合っていない状態です。
すべてを合わせる必要はない
ここで大事なのは、
すべての前提を揃える必要はない、ということです。
– 変えにくい前提もある
– 調整できる前提もある
– 理解するだけで楽になる前提もある
まずは、
「ズレがある」という事実を
責めずに把握すること。
そこから、
どこに手を入れると関係が楽になるのかを
整理していきます。
次の記事では、
これらの前提の中でも特に誤解されやすい、
「変わる部分」と「変わりにくい部分」の境界線について
もう少し詳しく見ていきます。


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